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日々の想い Vol.31

The way he looks vol.31




こんにちは、塩沼亮潤です。

 

お坊さんになるための得度式のなかで、ある二つの儀式をさせられます。

 

ひとつは、今日この世に自分自身がいるのは、いろんな人の御恩とご縁があってはじめて自分が存在する、そのすべての人たちに感謝の三返礼拝をしなさいと言われ、お経を唱えながら3回ほど五体投地礼拝をします。

 

そしてもうひとつは、自分自身の過去を振り返ってみたら、たくさんの人に迷惑をかけてきたであろう。その人たちに心からの懺悔をしなさい、というものです。なぜ懺悔をするかというと、心からの悔い改めをしたら、もうそれ以上その人の罪は咎められなくなるという教えからです。

 

つまり、我々お坊さんは「感謝と反省」を行って、仏の門へと入っていくのです。

 

「ありがとう、ごめんなさい」

 

皆さんは普段この言葉を心から発しているでしょうか?

 

たとえば何かを人に指摘されたとき、この感謝と反省の気持ちがなければ、ついイラッとしてしまいますよね。「それ以上言わないで」と心の窓を閉めてしまって、自分自身を省みたり反省の方向にいかない。言っていただいたことに対して「ありがとう」という気持ちにならない。

 

そうしたことを続けていると、「言われているうちが華」という言葉もあるように、誰もしまいには言ってくれなくなります。そうすると自分の成長が止まります。

 

私は山での修行によっていろいろな気づきを得ることはできましたが、塩沼亮潤という人間が本当に磨かれていったのは、仙台に帰ってきてからです。いろんな人間関係の中でたくさん失敗をして迷惑をかけてしまった時、「本当にすみませんでした」と心から反省して同じことを繰り返さないようにしようと心の中で深い反省をする度に気づきがあり人間的に成長した実感があります。ここが成長するかしないかの重要なポイントなのです。

 

先の得度式での「感謝と反省」のほかに、お師匠さんから言われたことでずっと守っている教えがあります。それは、子どもの頃に祖母や母親から教えられていたことでもありますが、「人を軽んじてはいけない。蔑んではいけない」ということです。

 

どんなに自分に対してひどい仕打ちをする人であっても、尊敬できないなと思う人であっても、その人にもその人の人格がある。だからこそ、どんな人にも敬意をもって接していないといけない、という教えです。

 

相手を軽んじると、自分自身も誰かから軽んじられるようになります。

 

釈尊がもっとも伝えたかったことのひとつは因果律です。因果応報とも言いますが、やったことがすべてかえってくる。「バチが当たるよ」と言われたことがあるかもしれませんが、神仏はバチを当てません。自分がやったことがかえってくるだけということなのです。

 

そこに感謝と反省が加わって、はじめて自分自身の人間力が磨かれていくのだと思います。

 

4月からは新生活が始まるという方も多いのではないでしょうか。


「人を軽んじない」「感謝と反省」


この教えを胸に、ご縁のあった人たちと楽しい思い出を紡いでいかれることを願います。





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