The way he looks vol.32
こんにちは、塩沼亮潤です。
実は、「頑張る」という言葉をあまり使わないようにしています。
なぜかといいますと、その語源は「我を張る」からきているからです。なので、仏教者はあまりこの表現を使いませんが、皆さんにお話をさせていただく際に、わかりやすくするために使うこともあります。今年の慈眼寺カレンダーの中でも、6月には「頑張る」という表現をあえて入れています。
もちろん、若い頃は精一杯頑張る時期があっても良いと思います。私も修行僧時代は、ただがむしゃらに頑張っていましたが、これは「我を張っている」状態ですので、当然、周りの人に不快な思いをさせてしまったり、迷惑をかけてしまったりということが多々ありました。
ただし、「頑張る」には大切なルールがあります。 頑張る中で人に迷惑をかけてしまったら、よく「反省」をしなければなりません。反省がなければ、頑張り続けている間に一人、また一人と去っていって、気がついたら周りに誰もいなかった、という寂しい結果を招いてしまいます。
間違ったことをした、結果が悪かったと気がついたときには、素直に「すみません」と反省し、改善し、また失敗して……その繰り返しの中で、我を張っている自分が、少しずつ丸くなっていくのだと思います
最近では、私もだんだんと我を張らないようになってきました。一人の宗教者として教えを広めていく、それも大事なことだとは思います。ですが、「ちょっと疲れたな、癒されに行きたいな」と思って慈眼寺へ足を運んでくださった方々のために、職員全員で庭の手入れをしたり、花を飾ったりすること、そのことに今は精一杯心を尽くしています。
「頑張る」と「精一杯」は、似ているようで異なります。 地に足をつけ、ご縁のあった人たちと、ご縁をいただいた仕事を心を尽くし精一杯させていただく。それが本当の意味で豊かな人生を導いてくれる生き方なのだと思います。
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