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日々の想い Vol.25

The way he looks vol.25


こんにちは、塩沼亮潤です。


皆さんは、昔の自分だったらこんなことしなかった、考えなかっただろうなと、ふとした瞬間に自分の変化に気づくことは、ありませんか?


慈眼寺の護摩堂には不動明王さまがいらっしゃいます。小僧時代の私は、荒々しい気持ちでいないと厳しい修行を乗り越えられないので、当時から不動明王さまが大好きでした。


逆に、弥勒菩薩さま、観音さまという穏やかな仏様は、自分がお寺をつくっても授からないだろうなと思っていたくらいです。


当時、縁あってお会いした大仏師さんに、20代の私がそのことを申し上げたら、「塩沼さん、行が終わったら、優しい仏さまばっかり求めるようになりまっせ」とおっしゃいました。


私は「そんなことないです!私は生涯、不動明王さまです!」と言っていましたが、実際に行を終えてお寺ができたら、優しい仏さまばかり自分の心が求めていくようになって、そうしてできたのが慈眼寺の観音堂です。そして、庫裏のある建物には弥勒菩薩さまをお迎えしています。


このように、人の考えや好みというのは、変わって当たり前。


自分自身がこんなにゆっくりと、ほわんとした世界にくるまれながら生活していることが、若い頃は想像もしていませんでした。


「古きを訪ねて新しきを知る」というように、古いものは重んじつつ、軸をしっかり持ちながら、その時代にあわせた表現や発信をしていくというのが、この世の理にかなっている生き方なのだと思います。





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