The way he looks vol.27
こんにちは、塩沼亮潤です。
私の尊敬するお師匠さんは趣味人で、器や陶器などをたくさん集めていらっしゃいました。
その影響を受け、私も小僧の頃からおこづかいを貯めて、豪華なものは買えませんが、器などコツコツと集めてきました。
ある日、お師匠さんに「なんで集めているんですか？」と聞いてみたら、「こういう形のあるものは、壊さなければ何百年と残るものだ。お抹茶茶碗ひとつとっても、自分が使わないから残るんだよ」と教えてくださいました。
自分が使わなくとも、後の誰かへ残す。という考え方を大切にされていらっしゃったので、私も若い頃から55歳の現在までで、よい物がそれなりに揃ってきたかなと思いますが、まだひとつも使ったことがありません。
ごく稀に、お客様がいらしたときにお出しすることはありますが、器や着るものでも、まだまだ自分はそれを日常使うだけの人間ではないなと思って、ずっと寝かせて大事にとっています。
そんなふうに原点を忘れずに、お師匠さんや周りの人からいただいた教えを大切にしながら歩んでいくことで、人生がより豊かになるのではないかと思うのです。