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日々の想い Vol.30

The way he looks vol.30




こんにちは、塩沼亮潤です。


護摩修法の最後に、目の前の不動明王様のお姿から、ふとこんな考えが浮かんできました。


人間は地位とか名誉とか財産とか、ありとあらゆるものによって自分の基礎となる心の軸がぶれてしまうことが多々あります。


一番理想的なのは、東西南北、どこから風が吹いてきても動じない心。まさに、不動明王様お姿そのものです。


不動明王様の右手には、迷いを断ち切る剣。そして、ありとあらゆる欲から自分自身の気持ちをからめとる縄を左手に持たれています。この剣と縄でもって自分自身を戒める姿の現れが、不動明王様のお姿でもあるのだと思います。


誰しもが、嫌なこと、良いことがあると心がぶれていきます。周りのことに振り回されず、自分の軸を持ってしっかりと生きられるかどうか、それを極めるために、地球という修行道場に我々は居させていただいています。


実際のお寺の修行道場でも、つらいこと苦しいことばかりです。ですが、自分が修行させてくださいといって道場にやってきたので、不平不満は一切言いません。自分のなすべきことを淡々とさせていただくだけです。邪な思いや、負の思いを持ってしまった瞬間には、「こんな気持ちは持たないようにしよう」と自分で何千回何万回も自分を戒めてきました。


盤石の上にお座りになられている不動明王様のお姿は、四方八方からどんなに強い風が吹いても、揺らぐことがありません。


もしも邪な心が出てきてしまったら、自らの剣と縄でもって、自分自身に言い聞かせていく。


自分自身の心に不動明王様を宿すことができれば、いつか必ず、いい塩梅に心が整ってくるんではないかと思います。





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